貴金属買取店を利用するメリットと売却時に注意したいポイント

使わなくなったジュエリーや壊れてしまった金製品(金歯・万年筆のペン先・切れたネックレスなど)があれば、貴金属買取専門のお店に持ち込んで売却することができます。
金やプラチナは溶かして再加工すればリサイクルが可能ですし、リサイクルをする場合は採掘して得られた鉱石から金属を抽出・精錬するプロセスと比べて遥かに少ない電力で再生ができるからです。
限られた天然資源の有効活用の観点からも、個人のレベルで積極的に金属のリサイクルを行うことはとても大切です。

金やプラチナの価格は法定通貨とは逆の値動きをする

金やプラチナなどを貴金属買取のお店に持ち込んで売却することは天然資源の有効活用に加えて、売却代金を受け取ることができるというメリットがあります。
金やプラチナの価格は法定通貨とは逆の値動きをすることが知られていて、米ドルの価値が下がれば値上がりすることが知られています。
2020年は世界的に新型コロナウイルスの感染拡大にともなう経済の低迷により、各国の中央銀行は金融緩和のために通貨の発行量を増やしています。
通貨の供給量が増えると貨幣価値が下がり、金などの実物資産に資金が流入します。
実際に金の国際取引価格は2003年頃から上昇しており、2011年には1オンスあたり1900ドルに達しました。
その後に1000ドル付近まで値下がりしましたが、2020年に入ってからは米ドルのリスクヘッジとして再び高騰するようになりました。
2021年2月時点においては、金1gあたりの取引価格が6,000円を超えています。
プラチナについても高値が続いており、1gあたり4,000円以上で取引されています。
しばらくの間はコロナ禍の影響で世界経済が低迷することが明らかなので、金価格は高値で推移すると予想されます。
このようなタイミングで家の中で眠っている金やプラチナを貴金属買取のお店に持ち込めば、かなりお得に換金できます。

参考:貴金属 買取 足利市

金やプラチナなどを売却する際の注意点

金やプラチナなどを売却する場合には、いくつか注意しておきたい点があります。
金製品はどのような状態でも買い取ってもらうことができますが、プラチナや銀などの他の金属は鑑定書や刻印がないと査定してもらえないケースがあるので要注意です。
一定以上の金を含む合金は黄金色を呈しているので、容易に金の合金であることが判別できます。
比重測定をすれば簡単に含有率の計算ができるので、刻印が付いていなかったり壊れている場合でも含有率に応じてスクラップ金として売却できます。
ちなみに真鍮(黄銅)も見た目は黄金色ですが、比重測定をすればすぐに見分けがつきます。
これに対してプラチナや銀などの金属は銀白色を呈しており、見た目で判別することは不可能です。
ちなみにプラチナは光の反射率が高くないため、純プラチナの見た目はステンレスとよく似ています。
銀白色の金属は種類が多いので、比重測定をしても銀やプラチナが含まれているかどうかを判別することはできません。
そのため金以外の金属(銀やプラチナ)については、刻印や鑑定書が付いている製品でなければ扱ってもらえないケースがほとんどです。

分析機器を持っているお店に持ち込んで鑑定を依頼する

貴金属買取専門店で刻印や鑑定書がないプラチナや銀などを売却したい場合は、分析機器を持っているお店に持ち込んで鑑定を依頼する必要があります。
銀白色の金属の種類を分析するためには、蛍光エックス線分析装置が必要です。
大学の工学部や理学部で学んだ方であれば、走査型電子顕微鏡(SEM)に取り付けられている元素分析装置(EDX)を使用した経験があるかもしれません。
蛍光エックス線分析装置は電子顕微鏡のEDXと同じで、金属に電子線を照射した際に発生する蛍光X線の波長を調べることにより、塊に含まれている元素の種類を判別します。
貴金属買取専門店が使用している蛍光エックス線分析装置は真空中ではなくて空気中でX線を測定するので、正確に元素分析をするためにはある程度まとまった量のサンプル(数gかそれ以上)が必要になります。

蛍光エックス線分析装置を持っているお店を探す

刻印や鑑定書が付いていないプラチナや銀などの金属を売却したい場合は、蛍光エックス線分析装置を持っているお店を探す必要があるので注意しましょう。
蛍光エックス線分析装置を備えているお店であれば、金・プラチナ・銀だけでなく、医療用や装飾用のパラジウム合金も扱っているケースがほとんどです。
保険診療で一般的に使用される銀歯には、金・銀・パラジウム合金が使用されていることで知られています。
パラジウムはホワイトゴールド(金の合金)の材料のほかに、かつて中国や東南アジアなどで白金と称して販売されていた偽物のジュエリーなどに使われていることの多い金属です。
現在パラジウムはかなり高額(2020年2月時点で1gあたり8~9千円)で取引されており、金やプラチナよりも価値のある金属です。

まとめ

偽物が疑われる白金のジェリー・いらなくなった銀歯・ホワイトゴールドなどをお持ちの方は、元素分析装置を備えたお店を利用することでパラジウムや銀なども含めて買い取ってもらえるのでかなりお得です。
ただし一般的な貴金属買取にパラジウムが含まれる金属を持ち込んだとしても、金のみしか査定してもらえないので注意が必要です。